令和元年第3回定例会 二日目 代表質問

前期から数え、2度目の区長に対する代表質問の機会を頂きました。質問内容は下記の通りです。(内容は抜粋しています。)

●区内保育環境について

問 本年も100人余りの待機児童が発生している状況あるが、恐らくは需要と供給の均衡点が徐々に見えてくる段階になりつつあるのではないかと考える。待機児童の状況と今後の保育所整備計画の状況を問う。
答 本年4月1日現在の待機児116名を出張所管轄別に見ると、大森西、入新井、馬込、六郷、蒲田東地区では待機児が10人を超えているが、それ以外の地域では数人にとどまっている。待機児が少ない地域では、保育所を新設しても欠員が多く発生することが想定され、新規開設が難しくなってきている。一方、今年度から東京都と連携して開始したベビーシッター利用支援事業は、8月までに31人の登録があり、利用者からは、送迎の必要がなく家庭的な環境で保育所とは違った良さがあると好評である。今後も引き続き、認可保育所の設置を待機児が多く発生している地域に絞り込むと共に、待機児の少ない地域では、乳幼児期はベビーシッターの派遣や保育ママを利用していただき、3歳児以降は認可保育所を利用していただくことで、待機児の解消を実現していく。

問 今後、様々な理由から1人で仕事、育児、家事の全てをこなさなければならない状況の方々を、これからサポートする体制の強化が必要であると考える。待機児童が減少していった後の取組みについてどう考えているのか。
答 待機児が解消に向かう中で、今後は、特に在宅で子育てをしている方々への支援の充実が重要となると考えている。区では、児童館や保育園に親子の居場所と子育ての仲間づくりの場を提供する子育てひろばを整備すると共に、地域の民生委員などと連携し、乳児の育児補助を行いながら育児相談もできる養育支援家庭訪問事業「ゆりかご」を実施してきた。また、育児のレスパイトにも活用できる一時預かり保育、のほか、地域のボランティアが保育園の送迎や一時預かりを行う「ファミリー・サポートおおた」を展開している。今後は、児童館や保育園の子育てひろばの相談機能の充実を図ると共に、一時預りなどの拠点の拡充と預けやすさの向上を図って、在宅での子育て支援をさらに推進していく。

●区内教育環境について

問 近年区内において外国籍の住人が増え、それに伴い区立学校においても令和元年現在小学校で782名の外国籍の児童・生徒が在籍している。これは2年前の1.2倍、4年前からは1.5倍と急速に増加している。日本語指導の現状について答弁をお願いしたい。

答 区立学校に在籍する外国人のうち、日本語の理解が十分でない児童・生徒に対しては、日本語指導員を派遣して日本語の習得を図っている。また、蒲田小学校と蒲田中学校の日本語学級では、更なる日本語の習熟を図るため、通級による日本語指導を行っている。今年度は、蒲田小学校44名、蒲田中学校25名の児童生徒が在籍している。このほか、外国籍児童の多い小学校には、東京都に日本語指導の加配教員を求め、区立小学校2校において、日本語のグループ指導や個別指導などの加配教員による指導を行っている。今後とも、おおた教育ビジョンに掲げている外国籍児童生徒の「日本語による学習適応能力の向上」を図っていく。

●オリンピック・パラリンピックに向けた取組みについて

問 東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、テロの脅威が懸念されている。大田区としても危機管理体制の強化をしていくべきと考えるが、区のテロ対策について、答弁願う。

答 近年、大規模集客施設などのいわゆるソフトターゲットを標的としたテロ行為が世界各地で発生し、多くの死傷者を出す事態となっている。テロ対策を充実するために大田区国民保護協議会において、テロ対策に関する研修会を開催し、テロ対策の理解を深めている。区は、テロ行為などの脅威から区民をはじめ国内外からの来訪者の安全・安心を守るため、大田区国民保護計画に基づいた、危機管理対策の準備を進めており、より実効性ある危機管理体制を構築しているところである。具体的には、来年、東京都と連携し、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えた訓練を実施する予定である。この訓練を通じて、テロに対する職員の危機意識を高めるとともに、警察、消防、自衛隊などの関係機関との連携強化を図っていく。

問 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を来年に控え、来日外国人の増加が見込まれるところ、テロ対策も見据えて、防犯カメラを要所に設置するなど、なお一層防犯カメラを活用する街づくりを推進する必要があると考える。お考えをご答弁願いる。

答 区は、設置について「ガイドライン」に基づき、区民が安心して暮らせることを目的として実施している。町会、商店街の方々が、設置している防犯カメラは、地域で実施している見守り活動を補完するために、設置している。区は、「ガイドライン」に基づき、小学校の通学路や区立公園などにも設置している。防犯カメラの設置は、犯罪抑止の一助として取り組んでおり、平成27年と比較して約2.6倍に増加している。犯罪抑止のためには、犯罪をおこしにくい環境をつくることが重要である。東京2020大会の開催に向け、国内外から多くの外国人が来訪することが予想される。引き続き、地域と区、警察などが連携し、テロ対策なども視野に入れつつ、区民の安全安心を確保していく。

問 現在、テレワークや就業時間などの変更、海上交通網など様々な議論をされていると理解しているが、区内交通環境の悪化を防ぐために想定されている取り組みをご答弁願う。

答 大会時の円滑な輸送サービスの提供と都市活動や経済活動の安定との両立を図るため、東京都、内閣官房、東京2020組織委員会が中心となり、大会時の交通混雑緩和を目指すプロジェクトを推進している。プロジェクトでは、企業に対して、大会期間中の時差通勤などを推奨し、鉄道の混雑緩和や工事日程の変更などによる、道路の混雑回避対策を求めている。区としても、区内企業にプロジェクトへの協力をお願いしていく。区には、ホッケー競技場があり、会場周辺の道路混雑が見込まれていることから、区が契約する工事日程などの調整を進めてまいりる。大会時に、区民にとっても来訪者にとってもストレスの少ない移動ができ、区民生活に大きな支障が生じないように、都などと協力しながら取組んでいく。

問 東京オリンピック・パラリンピックに向けて、どのような視点を持って、多文化共生を推進されるのか。

答 東京オリンピック・パラリンピックに向けた多文化共生推進ついてのご質問である。区内には、多くの韓国日の方がたが暮らすとともに、東京2020大会では、韓国から多くの旅行者などが訪れることが予想される。しかし、大会まで1年を切った現在、日本と韓国との関係がかつてないほど悪化しているとの報道にスポーツや文化交流などに与える影響を大変憂慮している。私たちが目指す国際都市は、「多様な文化を分かち合い、互いの個性を認め誰もが活躍できるまち」である。区としては、東京2020大会を絶好の機会と捉え、すべての国の皆様と担互理解を深めるような取組みを鋭意進めている。一方、安全確保やトラブルの防止に向けては、関係機関との連携を密にすることで、区内外のお客様が安心して大会を楽しめるよう、万全の対策を講じていく。

この記事を書いた人

松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区議会議員 令和大田区議団所属 松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区生まれ、大田区育ち。
地域課題の解決のため、働きます!

36歳!一処懸命!