令和2年第2回定例会 二日目 代表質問

新型コロナウイルス感染症対策に関連した質問を行いました。区長と教育長に対する代表質問のため、質問内容はかなり大枠で行いました。

●新型コロナウイルス対策について

問 現在、業務量の増えた部署への職員の集中により対応しているが、事態が長期化すれば今後の通常業務に支障が出ないか危惧している。コロナ災厄の中、これから先をどのように乗り切るつもりか。

答 これまで、支援・実施体制の構築や事務事業の見直し再構築などを進めてきた。例えば、業務継続計画に基づき事務事業を休止・縮小し、感染症対策や融資及び給付金業務などに対応してきた。また、部局内及び部局間における職員の応援体制を整備し、全庁挙げて給付金事業に取り組んでいる。一方、段階的に休止事業を再開すると共に、感染症対策、生活再建・経済復興対策などを加速度的に推進していく必要がある。そのため、徹底した事務事業の見直しやICTの活用のほか、テレワークの推進などに積極的に取り組む。これまで以上に選択と集中を図り、行政資源を集中的に投下してこの難局を乗り越えていく。

問 催事開催に対する統一の基準をお示しいただきたい。

答 緊急対応の方針の中で、区主催の各種イベントなどを8月末日まで、原則中止する旨を決定した。先が見通せない状況の中、地域における様々な活動においても慎重な判断が求められている。一方で、これまで区民が築いてきた地域社会あるいは社会活動への影響も考慮しなければならない。区としては、国や都のガイドラインなどに準拠し、感染症対策を十分に講じたうえで、地域共生の新たな仕組みづくりも視野に今後の各種イベントなど開催の方向性について決定していく。

●災害対応について

問 昨年の台風19号の教訓を風化させることなく、自助を育み啓発するための取り組みを継続してほしいがいかがか。

答 2年度は、改訂したハザードマップの全戸配布と、マイ・タイムライン講習会を予定している。こうした普及事業を継続実施することで、自助の取組を一層加速していく。また、区内23か所に設置している土のう置き場を田園調布地区に3か所増設する予定である。引き続き、区民の自助を育むための啓発に全力で取り組んでいく。

問 本年も台風シーズン、出水期を迎えた。当会派では、元年の浸水被害後の毎定例会にて、絶えず世田谷区をはじめとする広域的な防災への取り組みの重要性を申し上げ、求めてきたが、これまでの進捗と成果について伺う。

答 多摩川流域大規模減災協議会において、ハード対策とソフト対策が一体となった「多摩川緊急治水対策プロジェクト」を今後概ね5から10年間で進めていくこととなった。2年度は5月に書面会議を開催し、減災に係る取組方針を拡充したほか、多摩川タイムラインの確認や京浜河川事務所管内などにおける主な取り組み内容の共有を行った。この間、国土交通省が実施した洪水予警報の情報伝達訓練に参加し、都県を介した洪水予警報の受信や区の活動体制や活動状況の発信などに取り組んだ。また、2年5月下旬に、本区と川崎市、世田谷区の3市区が台風19号の教訓を踏まえた風水害対策の強化方針を共有するとともに、避難情報を発令するタイミングや方法などについて協議した。喫緊の課題である避難場所などにおける感染症対策についても意見交換を行い対策に反映した。今後も、多摩川の流域また下流部で、共通の課題に取り組む国や都県、自治体などとの相互連携を図りながら、区の風水害対策の強化に取り組んでいく。

問 先の浸水被害においても孤立した16名の区民を救出する際、大きな助けとなったのは、警察、消防、自衛隊であった。災害発生に備えて、都や防災関係機関との連携を強化していく必要を感じる。区長の考えを伺う。

答 都をはじめ警察、消防、自衛隊などとの連携が極めて重要であることは、台風19号での救助活動などを通じ、改めて実感した。こうしたことから、2年1月に実施した国民保護図上訓練では警察、消防、自衛隊にも参加いただき、関係機関との連携要領などを訓練した。この訓練は、避難・誘導に関する関係機関との調整など、大きな成果があったものと考えている。今後、災害の発生が差し迫っている場合には、区内の警察、消防に加え自衛隊の部隊や都からも連絡員を区の災害対策本部に配置していただくなど、更なる連携態勢の強化を図っていく。今後ますます激甚化の傾向にある災害から区民の生命を守るため、区の災害対策本部の強化に取り組んでいく。

●withコロナにおける多文化共生について

問 新型コロナと共存しながら国際都市おおたの維持発展に努めるため、外国人区民が今後も様々な支援策を理解し利用するスキームの維持はできるのか。また、ネット環境が劇的に進化する中、従来のフェイスtoフェイスに限らず交流を進めていくべきであり、区が率先して新たな国際交流の環境整備に乗り出すべきと考えるがいかか。

答 外国人区民の情報格差解消を図ることを最優先と捉え、都内自治体の中でいち早く、多言語による、新型コロナウイルス関連情報のツイッター配信を開始した。ミックスおおたでの多言語相談窓口についても、電話・メールを中心とした相談業務を継続しており、今後も外国人区民への支援策を推進していく。また、新型コロナウイルス感染拡大が収束に向かう中で、海外との交流も活発化していく事が想定され、従前のフェイスtoフェイスの交流にとどまらない、新たな交流の可能性は十分にある。昨今の情報通信技術の進化に合わせた新たな国際交流のあり方について、鋭意研究していく。

問 区立学校の長期間の休校は、様々な歪みをもたらした。父兄への影響はもちろん、日中自宅にいた子供達の少なからずが、生活リズムを崩し心身を共に害した。学校の開校とその維持は極めて重要であると考える。令和2年度、区内小中学校の開校をいかに維持し、児童生徒の健全育成に資していくか伺う。

答 教育委員会としては、3密を避けること、家庭での検温や体調確認、マスクの着用、手洗いの励行など、感染症対策を徹底するよう学校へ通知し、家庭に協力をお願いした。給食についても、配膳や食べる際の留意事項を指導している。また、アルコール消毒液などをすべての学校に配布したほか、国や都から示された衛生管理マニュアルを学校に周知するなど、情報提供も行っている。現時点においては、感染症の完全な収束は見通せない状況にある。引き続き、新型コロナウイルス感染症に係る、学校の衛生管理を適切に行い、子供たちが、学校において健やかに成長、発達することができる教育環境を作っていく。

この記事を書いた人

松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区議会議員 令和大田区議団所属 松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区生まれ、大田区育ち。
地域課題の解決のため、働きます!

36歳!一処懸命!