8月29日~30日 まちづくり環境委員会 行政視察

まちづくり環境委員会の行政視察で新潟県、新潟市、佐渡市に参りました。

視察項目及び所感は下記のとおりです。

●佐渡市

「空家対策及び活用に関する佐渡市の取り組み」

佐渡市の平成27年度島内調査では住宅総数28,580戸のうち空家は3601件にのぼり、その対策は喫緊の課題であった。この様な状況の下、佐渡市では利用可能な空家に関しては「佐渡市空き家活用事業」を、老朽家屋などの利用に適さない空き家に関しては「空家等対策計画」の老朽危険家屋対策支援事業をもって対応している。前者は空家活用を目的とし、区は空家所有者と、空き家利用希望者との間を繋ぐシステムを構築するとともに、宅建協会とも連携を行い円滑な交渉・契約を図ろうとしていた。この様なシステムの他、移住者に対する空家改修の補助制度を設けることにより、市内人口の維持に努めていた。このような情報システムの構築は、大田区としては、例えば高齢者等住宅確保事業の推進に向けて参考にできるのではないかと考える次第です。

●新潟市

「湾岸エリア及び水辺空間の魅力創出に向けたまちづくり」

古くから、港町として発展をしてきた当該地域におけるまちづくりについて行政視察をおこなった。新潟港は信濃川河口として人的な交流の下に発展してきた西港と、コンテナターミナルを持ち物流の中心として発展してきた東港で構成されており、その間に新潟空港が存在している。大田区として参考にすべき点としては、新潟市が人の動線を意識し、交流軸と都心軸の二本の軸を定めその中心地に対して重点的な施策を講じている点である。つまり、水辺空間の開発や大規模施設の構築、新潟開港150周年記念事業などの催しごとも西港が中心となっている。湾岸エリア・水辺空間の魅力創出という観点から、大田区を俯瞰するに、例えば、多摩川緑地帯のグラウンドからの用地変更は容易ではなく、何より湾岸エリアから遠く離れている。 また呑川両岸の活用方法なども近隣住民の散策路整備程度が限界ではないだろうか。あくまで区内外から人を呼び寄せるような魅力創出が可能なエリアとしては、羽田空港跡地第1ゾーンしか考えられず、ここの再開発が唯一にして最大の機会ではないかと考える。

「使用済小型家電回収における障害者施設との連携」

新潟市は、平成24年に特定非営利活動法人のんぴーり青山の会と、市内における小型家電の回収リサイクルに関して委託契約を結び、現在では9か所の障害者施設が拠点となり業務をおこなっている。のんぴーりの理念としては、障害者福祉において、特に就労継続B型事業所の工賃の低さを問題にとし、障害者がもっと地域社会に貢献できかつ一般市民との接点を作ることを目指している。今回の行政視察を通し、現在、主流の手工芸品や焼き菓子の製造などの他に(もちろん障害の程度にもよるが)、一般市民とより密接に関わりな合いながら、障害者が、それぞれ各個人の能力を生かす可能性を理解できた。

●新潟県

「消化ガスの活用」

新潟県では、7つの下水処理施設から発生する下水汚泥集約・乾燥する中越流泥処理センターを平成21年度から稼働させており、その過程で発生する消化ガス(メタンガス)の有効活用に関する説明を受けた。そもそも環境上は発生量を軽減すべきメタンガスであるが、大量の下水を処理するうえで発生は致し方なく、いかにそれを利用するかが課題とのことであり、利用法としてはバイオガス発電機の燃料とし処理施設内の電源の一部にするほか、電力会社への販売、ビニールハウスの冷暖房を行っているとのことであった。今後、小型の処理施設でも利用の拡大や、循環型社会構築の可能性を研究するようで、取り組み自体は大変素晴らしいと考えるが、大田区は下水処理施設を所持していないため、本行政視察を区政に反映させることができるかは、今後の都の動向を注視する必要があると思う。

この記事を書いた人

松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区議会議員 令和大田区議団所属 松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区生まれ、大田区育ち。
地域課題の解決のため、働きます!

36歳!一処懸命!