令和4年第4回定例会 二日目 代表質問

交通不便地域について

 区内の交通不便地域についてお伺いいたします。昨日、長野議員の代表質問に対して、松原区長より「デマンド交通の検討」との御答弁がなされておりました。 大変ありがたい事です。 皆さま、ご存意の通り、大田区内には一定距離に電車やバスの駅舎が存在しない所謂交通不便地域が10地域も存在しています。この間、大田区は、10地域の内の一つ、矢口地区の交通不便解決のために、大田区コミュニティバス「たまちゃんバス」を生み出しました。平成21年10月11日のことです。それから長い長い試行運行期間を経て、令和元年に本格運行となりました。実に十年余りの試行運行期間は、日本国内でも他に並ぶ存在はそうそうないかと思います。私は、たまちゃんバスの是非については、申し述べるつもりはございません。しかし、あまりにも、ありのままの「たまちゃんバス」を愛すること。それを区民に強いたのではないかと感じております。そして他の9地域の交通不便地域への対応が疎かになったのではないか。私は、これまでの大田区の動きは緩慢であったと考えております。以前、この議場で、神戸市垂水区を走る神戸市垂水区 塩屋コミュニティバス しおかぜ を取り上げさせていただきました。しおかぜは、買い物に行くのも駅に出るのにも、激しい山坂を上り下りしなければならない垂水区住民に大変重宝され、いまや欠かすことのできない存在となっております。特筆すべきは、しおかぜは3か月間と2か月間の計2回の試行運行を経て、本格運行する運びとなったこと。大変、期間が短くあります。なお、2回目の試行運行は「見極め運行」と位置づけられ、ルートと時刻を変更しておこなわれました。その本格運行開始後もルートや時刻の変更、時間帯による急行便、時計回り便、反時計回り便等の柔軟な運営がなされております。また、車両も利用者数増加に伴い、徐々に大型車両に更新されるなど、大田区の交通不便地域解消に向けた取り組みと大きく異なります。スピード感が全く異なります。そして神戸市垂水区では、本年一月から新たなコミュニティバスの実証運行が始まりました。垂水区望海台コミュニティバス「望海(のぞみ)」です。望海は、望海台地域という垂水区でも特に急勾配や狭隘な道路幅員のため、コミュニティバスしおかぜ すらも運行できない地域を補完する存在になることが期待されています。住民が限られる望海台地域では、しおかぜのような路線定期型の運行を支えるだけの需要が見込めないという実情を踏まえ、利用者の予約に応じて運行するオンデマンド型のコミュニティバスとして、令和4年1月14日より約3か月間の実証運行を行い、その際に分かった問題点を整理して、本格運行の可否を決める二度目の実証運行を8 月1 日(6ヵ月間)から開始しております。私は実際に現地を訪れ、望海台地域を隅々まで練り歩きました。前のめりに歩かないとひっくり反ってしまいそうな斜面でありました。本当に狭く限られた地域でありましたが、ここにお住まいの方々の駅に出るにも、スーパーに買い物に行くのにも不自由な状況に神戸市が寄り添い対応がなされているのだの感じました。「望海」が今後、実際に本格導入に移るかは未知数です。現地自治会掲示板の張り紙には現状についての悲観的な記述も見て取れました。しかし、「しおかぜ」であれ、「望海」であれ、試行運行ないし実証運行を行うにあたり、しっかりと目標を設定し、それを公にして事業を進める姿勢は清々しさを感じます。もし、目標に達しなければ、行政も地域住民も一旦諦め他の方策を考えればいいのです。私は、交通不便地域解消に向けた神戸市の取り組みは、大田区、特に台地部地域においては、大いに参考にすべきであると考える次第です。これらの地域には買い物をするために他区に足を運ばなければならない方々、現在は自家用車で移動しているものの、加齢のため今後の交通手段に不安を覚える方々が多数お住まいです。大田区の懸案であった「たまちゃんバス」が本格運行し、長年の悲願であった「新空港線蒲蒲線事業」もいよいよ動き始めました。大田区には、今こそ、他の交通不便地域に目を向けて頂きたいと考えております。日々の生活必需品の入手にも不安を抱えている区民がいることをご理解いただき、その解決に向けて失敗を恐れず、行動を起こし、努力をしていただきのです。この問題は、平成20年から議論されています。改めて、該当地域の住人に対して実態調査を行う必要性も感じています。区には、それぞれの地域特性にあった方法を議論し、交通不便地域解消に向けてスピード感を持ってご対応頂きたいと考えておりますが、如何でしょうか。

 平成30年に大田区交通政策基本計画を策定し、ライフスタイルや価値観に応じた様々な移動手段を選択できる交通サービス提供を基本方針として、既存の交通、公共交通の充実を図るとともに、多様な移動サービスとの連携を進め、交通の機能向上に取り組むことを政策の方向性に掲げている。平成21年度には、たまちゃんバスの試行運行を開始するとともに、様々な取り組みを通じて、収支率の改善を図り、令和元年7月から本格運行へ移行し、地域の足として定着させることで、矢口地域における交通公共交通不便地域の改善を実現した。区は現在、令和4年度から2ヶ年をかけて行う大田区交通政策基本計画の中間見直しの中で、新型コロナウイルス感染症の影響の分析や、高齢社会への対応を踏まえ、交通政策基本計画推進協議会などで、地域特性に合った交通手段として、新たな取り組みであるデマンド型交通の実証実験を検討している。公共交通不便地域の改善については、交通に関する区民アンケート結果などを参考に交通事業者との事前調整を十分に行い、連携しながら、新たな交通手段の導入に向けた検討を進めていく。

蒲田の治安について

 私は、大田区の中心地である蒲田の治安に懸念を持っております。先日、大田区の路上で覚醒剤を販売したとして暴力団組長の男ら2人が逮捕されました。逮捕理由は、去年6月、JR蒲田駅近くの路上で覚醒剤およそ0.25グラムを、1万円で販売した疑いがあるとのことです。報道によると容疑者は13年前、平成21年ごろから売買を継続して行い、およそ4億円以上を売り上げたとのことです。これは大変由々しき事態であります。私が学生時代の頃より、蒲田に行けば良からぬ物品が手に入るという噂はありました。やはりそれが事実であったわけです。私は東京羽田ライオンズクラブの慈善活動の一環として、区内の小中学校児童生徒に対して、薬物乱用防止教室の講師を務めております。この教室で児童生徒らに覚醒剤、大麻、MD、常用薬物のODの危険性を説いても、必ずと言っても良い確率で、このような質問が寄せられます。「どこに行けば買うことが出来ますか?」と。いくらその危険性を説いても、どうしても好奇心が勝る子供らは一定数おります。このような中、大田区の中心地で、覚せい剤の売買が長年にわたり行われてきたという事実、私は子供たちに対して慙愧に堪えない思いを抱きます。また、蒲田の町は、10月にも「悪質な“客引き” 違法な“性的サービス提供店”で摘発」とのタイトルで全国テレビによって大々的に報道をされました。 前者は、この議場で何度となく議論されてきた粘着質な客引きであり、後者は店内で他人が見える状態で従業員と客にわいせつな行為をさせたとして、ピンクサロン「レッドダイヤ」の経営者ら男性2人が公然わいせつ容疑で逮捕されたというものです。以前には、ネットカジノ店舗の摘発や、オウム真理教の指名手配容疑者の潜伏場所、暴力団事務所の巣窟として、蒲田の町はその名を馳せてきました。それ故か、蒲田は、様々な媒体で実施されている「住みたくない街ランキング」の上位常連であります。この不名誉な状況に危機感を持ち、汚名を返上し、「いつまでも住み続けたい街」となり、それを内外に強く発信できるように、内実を整えていく必要性を強く感じます。まず、区の現状に対する認識をお伺いいたします。

 区は、特殊詐欺被害防止、自転車盗難被害防止、子供に対する犯罪被害防止を3本の柱として、地域防犯対策に取り組んでいる。主な対策として、自動通話録音機の貸与や駐輪場への音声ポップの設置、また防犯カメラの設置や青色防犯パトロールなどを実施している。こうした地域防犯活動は、警察署との連携が不可欠であることから、区内各警察署と情報交換をし、必要に応じて特定の地域のパトロール強化など、犯罪抑止に努めている。その結果、刑法犯認知件数は、平成21年から7年連続で減少をしている。大田区最大の繁華街である蒲田駅周辺に関しては客引き客待ち行為などが多く発生していたことから平成23年に自治会・町会、商店街と警察、区が連携したパトロールを開始した。更に、平成26年に大田区公共の場所における客引き客待ち行為などの防止に関する条例を制定し、客引き客待ち防止など指導員によるパトロールを年末年始を除き毎日実施をしてきた。この夏、新型コロナウイルスの感染拡大が一定程度収束し、客引き客待ちに関する苦情が徐々に増えてきたことから、本年9月、蒲田警察署との連携を更に強化し、客引き客待ち防止対策を強力に推進し、警察による悪質な客引きや違法な性的サービス提供店への取り締まりが行われたことは、蒲田駅周辺の環境浄化をにおける大きな成果であると考えている。また、令和3年7月に実施した大田区政に関する世論調査では、住んでいる街にどのようになってほしいかとの問いに対し、治安の良い街との答えが54.3%と最も多く、また、特に力を入れてほしいと欲しい対策として、防犯対策との答えが5割を超えるなど、区民の治安に対する期待は大きくなっている。区は今後も警察署など関係機関との連携をより深く深め、地域の方々が安心して暮らせる誰もが住み続けたいと思えるまちづくりを強力に進めていく。

 私は、計画的な防犯カメラの増設、景観や歩行空間を乱す看板規制、夜間の光量が足りていない路地裏等への街路灯整備や、商店街装飾灯、自治体町会の防犯灯の増設の要請。まだ犯罪迷惑行為の抑止に資するインフラ強化をする余地はまだまだ多くあると考える次第です。犯罪行為を起こしづらい、犯罪者が寄り付きにくい蒲田の街を、これから作り上げてほしいと考えております。区のお考えをお聞かせください。

 蒲田における犯罪迷惑行為の抑止のため、計画的な防犯カメラの設置や街の景観を乱す看板規制などにより、犯罪行為を起こしづらい、犯罪者が寄り付きにくい街を作り上げる視点は非常に重要であると考えている。区の中心拠点である蒲田においては、本年4月に、蒲田駅周辺地区グランドデザインを改定し、まちの将来像であるにぎわいあふれる多文化都市、誰もが安心して気持ちよく過ごせる人に優しいまちづくりに取り組んでいる。蒲田駅周辺では、駅舎駅ビルなどの機能更新や駅前広場などのインフラ整備を一体的に進めるため、蒲田駅周辺地区基盤整備方針を10月に策定し、新空港線の事業化を見据えた中長期整備に向けて関係機関との協議・調整を進めている。グランドデザインでは、まちの将来像の実現に向け安心して快適に過ごせる環境の向上を目標の一つに掲げており、人々に快適さや安心感を与えるまちを目指すこととしている。この目標の実現に向け、分野別方針においては、災害時にも安全で質の高い都市生活を実現するため、次世代通信インフラを初めとして、シームレスな公共交通、災害・観光対策、地域の見守りなど、多様な主体と連携しながら、先端技術を駆使した都市環境を目指すこととしている。また、安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するため、地域住民が主体となる見守り活動や商店街、自治会・町会と警察・行政が連携したパトロール活動を支援するとともに、防犯カメラや防犯灯などの設置を促進することとしている。首都圏の広域的な拠点である蒲田が将来に渡り持続的に発展していくため、まちの安全性を高め、犯罪発生を抑制する環境づくりを進めることで若い人や女性など、誰もが安心できるまちづくりを目指していく。

交通安全対策について

 決算特別委員会の折には、近年の自転車運転マナーの悪化に伴い、「大田区交通安全計画」の令和3年度の進捗をお伺いました。区からは、これまでの取り組みをご答弁される一方、昨年の交通事故発生件数及び死傷者数は、令和2年と比較して増加しているとのことでありました。また、自転車の交通量も同様の比較で増加しているとのことでした。このような状況下において、令和4年も同様の傾向が続いているのではないかと懸念するところです。この間に、ながら運転の有無に関わらず、幾度となく交通マナーが欠如している場面に出くわしてきました。歩行者がいても横断歩道で停止しない自動車。同様に、自転車も止まりません。自転車は軽車両であることを理解していない。チェスのクイーンとビショップを合わせたような複雑怪奇な軌道で赤信号をすり抜けていく自転車を多数回この目で見てきました。また一方で、信号のない横断歩道で、車両が停止することを期待することなく、横断歩道を通らずに道を横断する歩行者もいます。正しく相互不信の状況にあります。さて先月下旬より、警視庁は、自転車の交通違反の取り締まりを強化しました。「信号無視」、「一時不停止」、「右側通行」、「徐行せずに歩道を通行」等、それまで「警告」にとどめていた違反に対しても、刑事罰の対象となる交通切符、「赤切符」を交付して検挙する方針を固めたとのことです。これらを踏まえ、大田区は自転車の交通安全のため、なお一層の努力をして頂きたいと考えておりますが、如何お考えでしょうか。

 区内の交通事故件数については、近年、1,400件前後と横ばいで推移している。その中で自転車事故の関与率は増加傾向にあり、令和3年は49.0%と、前年に比べて1.9ポイント高くなっている。自転車はその利便性や経済性の高さから、広く利用され、改めて自転車交通のルールマナーが重要視されている。このような中、警視庁は10月末より自転車の信号無視や一時不停止などの悪質な違反行為に対し、罰金など、刑事処分の対象となる交通反則切符を交付するなど、取り締まりを強化してきた。区としても、令和3年度に策定した第11次大田区交通安全計画のもと、警察と一丸となり、自転車利用者の交通ルールの徹底や交通マナーの向上を図るため、幅広い世代に対し、様々な形で交通安全教育、指導などの強化に取り組んでいる。また、自転車の安全かつ快適な利用環境の確保と利用の促進を図るため、同年に策定した大田区自転車など総合計画に基づき、自転車の安全利用に対する周知啓発も行っている。今後も各警察署と連携し、更なる啓発活動の強化に取り組むなど、自転車の安全利用を推進し、安全・安心な交通環境を実現していく。

 特に横断歩道における交通ルールは、喫緊の課題であると考えております。先日の決算特別委員会では時間が押してしまったため、呟く程度のことしかできませんでしたが、大田区は、横断歩道一時停止率の高い地域の取り組みは勇んで検討していくべきであると考えます。例えば、例年、JAFによる「横断歩道一時停止率ランキング」が発表されており、長野県は統計開始以来絶えずトップであります。長野県では運転者に対する交通マナーの啓発だけでなく、歩行者に対する啓発にも強く取り組んでいます。横断旗の使用や横断時の手上げ運動等の歩行者の所作で、車両側に横断の意思を示すことの重要性が説かれています。また、同ランキングで絶えず上位にある静岡県でも、交通安全行動「しずおか・安全横断三つの柱」において、全ての歩行者に対し、手を上げてドライバーに横断の意思を伝えることを求めており、これにより実に90%の車両に効果があったとの事です。歩行者とドライバーの意思疎通が交通事故防止に効果があるとしています。兵庫県は、当初、同ランキング下位圏でしたが、横断歩道合図(アイズ)運動等を通して、横断歩道における交通事故の抑止を図る運動を行い、近年は、ランキング上位圏に位置しております。現在、東京都は最下位~中位圏であります。大田区内においても、体感としては、運転手と歩行者との相互不信は醸成されていると考える次第です。先程例で申し上げた取り組みが正解であるとは限りません。所謂、県民性なるものもあるかもしれません。しかし、行政が動かなければ、区民の草の根運動で状況が改善されていくことはないと考える次第です。危機感をもったご対応を願います。お答えください。

 横断歩道での事故を含む歩行者通行妨害による事故件数は令和3年は35件発生しており、令和2年から3件増となっている。区は歩行者やドライバーに対し、春・秋の交通安全運動などの機を捉え、各警察署と連携を図りながら、交通安全の啓発を行ってきた。また、小学校通学前の保育園児を対象とした安全啓発活動となる移動教室を開催し、横断歩道の渡り方の啓発も行っている。その他、関係機関の協力を得ながら、信号機の整備や交差点改良など交通安全施設の改良などを行い、交通事故防止を図っている。今後も引き続き、各警察署や自治会・町会ほか様々な関係機関、団体で構成される大田区交通安全協議会の活動を通じ、地域が一丸となり、交通情勢や交通環境の変化を踏まえた実効性のある施策を総合的かつ計画的に推進し、交通事故のない安全安心な大田区の実現に向けて様々な交通安全を推進していく。

防災について

 大田区はその地理的な特性から、水防に対して極めて力を込めなければならないことは、皆様ご承知のことかと存じます。令和元年台風19号によって、田園調布で大規模な浸水被害が発災した事は、本当に大きな災いでありました。私は、大田区議会18期、初当選時の最初の質問で、田園調布の防災計画や隣接区との協働の有り様についてお伺いを致しました。その際は、当時の危機管理室長より、23区の災害時相互支援相互協力協定の推進や、地域住民への防災計画等の周知徹底についての御答弁がありました。当時、私はその御答弁を聞き安心得心致しました。しかし、台風19号での被災が起こった訳であります。身の丈を超える深さの浸水が起こった箇所もあり、人命被害が起こらなかったことは、奇跡であったのでは無いでしょうか。やはり、どんなに事前に、万全と思えるほど準備を積み重ねても、自然の力に抗う事は難しい。今後も防災計画を打ち立てても、自然の力の他、時には人的な瑕疵も起こり得るでしょう。結果的に想定される最大規模の災害が、大田区内で現実のものとなる可能性を、絶えず検討し準備をしていかなければならないと考える次第です。日台交流サミットの際に、高知県の南海トラフ地震対策について、学ぶ機会を頂きました。高知県は、揺れや津波から「命を守る」対策、助かった「命をつなぐ」対策、復旧復興時の「生活を立ち上げる」対策に分け、計画を立てておりました。計画を一読し感じたことは、希望的観測を挟む事なく、高知県内が被る物的被害と人的被害を理解し、実際に前例の無い大損害を被った際、どうやって新たな街を作り、人々の営みを取り戻すか、を真剣に想定し考えている点でした。これは生計を立て直す事も含まれます。例えば、大田区には浸水被害想定地域に多数の町工場があります。区内産業を立て直す計画は御座いますでしょうか。また、羽田地域の木密地域に対する火災対策は防火対策から避難計画までが主たる内容では無いでしょうか。高潮や多摩川の氾濫が重なった際に、地域の住人らの避難は果たして可能なのでしょうか。果たして、避難場所の整備や運営の準備が出来ているのか。区在住の外国人の方々への対応等、不安は尽きません。私が不安症なだけでしょうか。私は、切実に、今日、明日に来るかもしれない首都直下地震などの震災被害の他、あらゆる災害が同時に訪れる可能性を考え、備えておく必要性を感じます。また、水害、地震被害を含めて、災害復興という観点からも、事前に準備を進めておく必要もより強く感じています。このような事前復興の取り組みについて区のお考えをお聞かせください。

 阪神・淡路大震災や東日本大震災などにおける被災した市街地整備の方向性について、行政や住民同士の合意形成が進まず災害復興に時間がかかるという課題が指摘されている。復興を円滑に進めるため、区は、平成30年10月に制定した大田区被災市街地復興整備条例において、災害などで重大な被害を受けた市街地の復興に際して必要な手順などを定め、区民や事業者の皆様と共に取り組み、災害に強い市街地の形成を図り、安全・安心な区民生活の実現をめざすこととしている。この条例は、災害復興事業の推進に当たり、区民などおよび事業者の意見を聞くとともに、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとしている。こうした災害被害に対し平時から備えておく取り組みを、都市作りの視点から強化するため、令和4年3月改定の大田区都市計画マスタープランの中で、事前復興まちづくりの推進を位置づけている。現在、区は新たな事前復興のまちづくりなどを含めて区民や事業者の皆様との協働まちづくりを推進するため、都市の将来像やその実現に向けた四つの都市づくりのテーマをわかりやすく解説した都市計画マスタープラン普及版を策定し、区内18特別出張所の町会長会議などで事前復興の重要性などを個別に説明している。今後は地域の皆様と協働で行う事前復興訓練の具体的な内容を検討し、災害時においても、都市機能の早期回復が図れるよう、鋭意取り組んでいく。

 大田区には4つの消防団が存在します。私も含め多数の議員の皆さまも所属をされているかと存じます。先日は3年ぶりの合同点検が平和の森で開催されました。皆様、その際の情景を如何にご記憶したでしょうか。東京都内の消防団の定員は98団26,000人です。大田区内においては、大森300名、田園調布300名、蒲田300名、矢口270名の計1,170名が定員であります。しかし、今月の段階で大森231名、田園調布234名、蒲田255名、矢口203名の4団合計で923名、充足率は78%であります。これは特別区消防団全体の平均充足率85.9%よりも明らかに低くあります。また、なによりその内実は極めて厳しいと感じています。体力的に合同点検にも堪えられない団員が多数存在するわけです。消防団員は地域の防災リーダーであります。体力がなくても、これまで培ってきた知識を用いて地域に貢献できる方々も多数いらっしゃることは理解致します。しかし、実際に有事においては体力もまた重要であります。年齢制限が必要だと言っているわけではありません。元気なご老人は怠惰な若者よりもはるかに活躍すると考えます。私が問題提起致したいのは、有事において、大田区の消防団に対して、その定数通り力を期待できないという点であります。私の所感としては、有事において実際に動ける団員は定員の半分にも満たないと考えます。区は毎年各消防団に一定金額の補助金を拠出してきました。それはひとえに消防団が、大田区の地域防災に資すると考えているためだと存じます。しかし、先刻、申し述べました通り、現在の大田区内4消防団の現状を鑑み、有事に期待すべき役割等を考えなおす必要があるのではないでしょうか。訓練内容、装備品、求められるスキル等、個々の内容を挙げ始めたらキリがありませんが、区のご認識をご答弁願います。

 今年5月に首都直下地震などによる東京の被害想定が公表され、前回に比べて全体の被害件数は減少しているものの、依然として甚大な被害が発生することが想定されている。被害軽減に向けた一層の取り組みの必要性を強く認識するとともに、地域防災を担う消防団の活動もこれまで以上に強く求められるものと考える。このような状況の中、区内消防団員の確保や活動力の更なる向上は喫緊の課題と捉えている。こうした消防団の諸課題について審議する機関として、消防団運営委員会が設置されており、消防団の組織力の強化策や水害時における効果的な活動などについて審議いただいた。現在、東京都知事から、大規模地震発生時における特別区消防団の消火活動能力を向上させる方策につき諮問されており、実践的な震災活動の訓練・教育のあり方や社会情勢の変化を踏まえた入団促進活動などについて議論を重ねている。消防団は地域防災の要として欠かせない存在であり、特に大規模地震発生時の消火活動には大きく期待をしている。こうした中、今月5日に、開催されました東京都消防団操法大会において、田園調布消防団が優勝したことは、とても心強く感じている。訓練に対する地域の方のご理解ご協力をいただいておりますのも、地域を守る消防団の皆様への期待そのものでり、今後も東京消防庁と連携を深め、大田区内消防団の益々の発展のために尽力をしていく。

行政のデジタル化について

 行政のデジタル化についての懸念をお伺いいたします。近年、自治体デジタル・トランスフォーメーション、所謂、自治体DX,が各地で叫ばれるようになりました。大田区では昨年の第3回定例会の冒頭のご挨拶の折、松原忠義大田区長が、「今後は、徹底的な国民目線でのサービス創出やデータ資源の利活用、社会全体のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるデジタル技術による生活やビジネスの変革を通じ、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を実現すべく取組を進めていく。」とのご答弁をされ、その取り組みがスタートしたと理解しております。この間の進捗については、本年冒頭の定例会議にて大森昭和彦議員の進捗を問う質問に対して、齋藤企画経営部長より「行政手続きのオンライン化や、デジタルデバイド対策など、区民の利便性向上に向けて取り組んでいく。また、デジタル人材の育成として、職員を対象に、DXに関する基礎知識や業務改革に関する手法の研修、相談などを行い、職員全体の知識の底上げと事務事業の見直し、改善にも取り組んでいる。」旨のご発言がありました。直近では、第二回定例議会の折に、区長より改めて、「デジタルトランスフォーメーションへの投資の分野について、計画的で大胆な重点投資を官民連携の下で推進する。」とのご発言がありました。私も、自治体DX推進により、区民サービスの迅速化や利便性の推進がなされることには大きく期待しております。一方で、それにより取り残される方々が一定数出ることも容易に想像できます。我々、区議会議員も支給されているiPadを使いこなせていない方がいらっしゃるように。このまま自治体DXが進捗すれば究極的には区役所という場所も不要となるかもしれません。しかし、その過程でどうしても対応できない人々が生まれます。それは区民だけではなく区役所の職員の方々も当てはまります。区は今後、DXに対応できない方々に対する対処を如何にお考えですか。また、区職員に求める能力も2極化すると考えますが、それらの可能性を区は想定されておりますか。ご答弁願います。

 国は、デジタル社会の実現に向けた重点計画において、社会全体のデジタル化は人に優しいデジタル化であるべきとしている。その上で誰一人取り残されることなく、多様な幸せが実現できる社会を目指し、地域団体・企業などと協力し、国民への支援を進めてきた。区においてもデジタルで提供されるサービスをスマートフォン、オンライン会議などの操作体験講座など、情報格差、いわゆるデジタルデバイド対策について継続的に実施している。一方、多様化・複雑化する行政需要へ対応していくためには、デジタルを効果的に活用し、利用者目線に立ったサービスの構築や、多様な主体との連携・協働による地域課題の解決に繋げることのできる能力が必要となる。区職員が、今後更に進展するデジタルトランスフォーメーションに取り残されないよう、職層や担当業務に応じたITスキルを向上させる研修に加え、DXや業務改革への意識醸成を目的とした研修、各職場への伴走型支援など、職員全体の知識向上やデジタル人材の育成に向けた取り組みを今後とも進めていく。また、今年度から特別職非常勤職員の情報政策官を任用し、デジタル化に関する専門的な知見を活かした施策の推進に繋げてきた。引き続き、インターネットやコンピュータを使える人と使えない人との間に生じる格差解消に向けた地域支援策に加え、区民一人ひとりに寄り添った対応ができる職員を育成するための取り組みを推進していく。

この記事を書いた人

松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区議会議員 令和大田区議団所属 松原 元 ( まつばら はじめ )

大田区生まれ、大田区育ち。
地域課題の解決のため、働きます!

36歳!一処懸命!